ヒュミラかレミケードか?
2012年の世界の大型医薬品ランキングを見ていたのですが、抗体医薬品がトップ10に7品目そしてトップ3は全て抗体医薬品でした。
1位はヒュミラです。96.03億ドルで前年比17%アップ
2位はレミケードで90.71億ドルで前年比1%アップ
3位はエンブレルで84.76億ドルで前年比7%アップ
でした。
上位は全て関節リュウマチの適応症の薬です。そして腸のリウマチとも言われるクローン病にもヒュミラやレミケードが適応となります。
もちろんこれらのバイオ医薬品、抗体医薬品が台頭して来た背景にはこれまで上位を占めていた化学合成による治療薬が特許切れとなり販売額が落ちたということもあるでしょう。特許が切れると安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)が出回りますので一気に薬価は下がります。
クローン病患者もお世話になっている生物学的製剤です。私がレミケードを始めた2009年はレミケードしか選択肢はありませんでしたが、現在はヒュミラも選択肢に入ります。ではヒュミラか?レミケードか?悩むところですよね。
レミケード抜かれる
それにしても特筆すべきはヒュミラがレミケードを抜いたことですね。ヒュミラはレミケードと比べて効きがイマイチとか色々とありましたがデータ的にみるとそうでもなくヒュミラが使われていますね。
もちろんレミケードは点滴で90分かけて投与ですがヒュミラは自己注射で出来ますのでその至便が受け入れられているのですかね?
原料はヒト
同じ抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体医薬品でもレミケード(インフリキシマブ)の原料はキメラ (マウス/ヒト)で、ヒュミラ(アダリムマブ)の原料はヒトです。やはり100%ヒトの細胞から作られるので投与時反応であるアレルギー等の副作用が起こることがレミケードより低いと言われているのもヒュミラ(アダリムマブ)を使うようになったのでしょうかね。
レミケード→ヒュミラへスイッチ
クローン病ではまずレミケード。でもレミケードは100%ヒトの細胞から作られているわけではないから、いずれは抗体が出来てしまってレミケードの効きが悪くなってくる(二次無効)。レミケードの効きがイマイチになってきたらヒュミラへスイッチ!って言う図式でしたが、どうやらレミケードで二次無効になってしまったら、ヒュミラにスイッチしても効果がイマイチだったりすぐにヒュミラも二次無効になって効きにくくなると言われてきており最初からヒュミラを選択することも多くなってきているようです。
投与周期か?
レミケードは8週に1回の投与でヒュミラは2週に1回の投与周期です。なんとなく90分点滴と言えどもどうせ通院するわけだから8週に1回のレミケードがいいじゃない?って言う考えもありそうですが、私のように投与後6週を過ぎたあたりからクローン病の調子が悪くなる患者にとっては、ヒュミラは2週ごとに薬が投与されるわけですから安心感もあるのでしょうかね?
効果はレミケードの方が上とも
医師の意見では効果の切れ味はヒュミラよりもレミケードの方が上と言う意見が多いようです。残念ながらクローン病患者は平行してレミケードとヒュミラを試せないので比較しようがありませんよね。ましてやレミケードからヒュミラにスイッチしたとしても初めて生物学的製剤を使った効き目というのは前後します。ヒュミラを始めて使ったらヒュミラ最高!になるかも知れません。
ここから2017年に改めて加筆ですが、同じ生物学的製剤でも少しアプローチが異なるステラーラという薬が登場しました。ヒュミラやレミケードはTNF-αへ作用しますがステラーラはIL-12/23へ作用します。様々な生物学的製剤が出ますが、薬価が高い。