クローン病の合併症

クローン病には様々な合併症が出ます。実はこれが曲者です。

肛門病変

クローン病で多い合併症は、肛門病変です。単なる炎症で痛いというものから、肛門周囲膿瘍(肛門周りに膿がたまる)、痔瘻(直腸と肛門外側にトンネルが出来る)まで多彩です。炎症で痛い場合であればステロイド系の軟膏でも塗っておけば症状は軽減しますが、肛門周囲膿瘍や痔瘻となると外科処置が必要となります。また、それらも一度手術すれば完了!というわけにいかず、概ね再発を繰り返します。クローン患者は多かれ少なかれ何らかの肛門症状で悩んでいることが多いです。

腸閉塞・イレウス

炎症で腸管内が腫れたり、度重なる炎症の繰り返しで腸管内が引き連れてしまって食べたものの通りが悪くなり詰まってしまいます。これが痛いのです。初めて腸閉塞になった人はあまりの痛さのために即救急へ行くでしょう。腸管内が炎症で腫れたものであれば適切な処置をすれば2週間も入院すれば落ち着くことが多いです。しかし繰り返す炎症のために引き連れてしまった場合(線維性の狭窄)はそこを外科的に拡げたり、切除することが考慮されます。もちろんこれらも一度手術すれば完了!というわけでなく再燃・再発することがほとんどです。これは大腸でも小腸でも起こりますが、小腸の終わりらへんが一番なりやすいとも言われています。