クローン病の小腸ダブルバルーン内視鏡検査について

小腸ダブルバルーン内視鏡検査

小腸ダブルバルーン内視鏡検査は今まで内視鏡では観察することできなかった小腸を内視鏡で観察する検査です。大腸ファイバーや胃の内視鏡と同等に高画像で小腸の内腔を観察出来るし、必要により組織を取り出したり、止血等の処置も出来ます。2007年の腸管切除から約10年経った節目で今回、小腸ダブルバルーン内視鏡検査を受けよう!と決意をした次第です。


2017年3月19日投稿、小腸ダブルバルーン内視鏡を受けようと決意した記事です。

ダブルバルーン内視鏡か?-クローン病 大阪大学医学部付属病院




CT検査と事前診察の様子の記事
私の場合は小腸ダブルバルーン内視鏡検査に先立って、小腸の狭窄具合等を診るために事前にCT検査を受けました。

CT検査と診察-大学医学部付属病院 クローン病



肛門からと口からと

小腸ダブルバルーン内視鏡検査は肛門から大腸経由で小腸の約2/3あたりまで診て目印をつけて、後日に口から食道、胃、十二指腸経由で目印のある部分まで診て行きます。

入院期間は?

口側から肛門側からとセットで6泊7日程度です。入院期間のしんどい時と言うのは下剤を飲んでいる時と検査後の鎮静剤が醒めるまでの約数時間です。それ以外は快適な入院生活を過ごすつもりで入院しましょう。ゆっくりと流れる時間を楽しむつもりで検査入院へ挑みましょう。私も非常に充実した入院期間でした。


入院初日の様子の記事

検査入院初日-小腸ダブルバルーン内視鏡検査-大阪大学医学部付属病院




退院時の様子の記事
https://blog.clubibd.net/archives/11321″>退院-小腸ダブルバルーン内視鏡検査-大阪大学付属病院 クローン病

苦痛は?

まずこの検査は鎮静剤や鎮痛剤なしでは受けることが出来ません。全身麻酔とまではなりませんが、場合によってはそこそこ鎮静剤を入れて眠らせますので検査入院となります。心電図も酸素チューブも鼻につけたりしてそれなりの装備になります。肛門からの小腸ダブルバルーン内視鏡ですがほとんど眠った状態でした。ただなんとなくそういえば夢の中で痛かったような苦しかったようなと言う感じです。ほとんど忘れてしまいます。
口経由の小腸ダブルバルーン内視鏡ですが、そこそこ悶絶だったのを覚えています。何回も目覚めて鎮静剤を追加されて眠ったのでしょう。確かに知らない間に終わった感じですが苦しかったのはしっかりと覚えています。口からの方が辛いような感じですね。では「死ぬほど辛かったか?」と聞かれれば、二度と嫌だ!と言う感じではありませんのでこれから受ける人も小腸ダブルバルーン内視鏡検査をあまり恐れないで受けましょう。気がついたら終わっていますので。鎮静剤がよく効く人は終始起きないまま検査が終わっているそうです。でも効きにくい人でも痛がり度を見ながら鎮静剤を追加してくれますのでご安心を。そのための入院なんですから。

完全に診れるか?

では小腸ダブルバルーン検査は全小腸を観察できますか?と言えば残念ながら全てを診れないケースも結構あるそうです。私も肛門側からで約30cm口側からで役30cmでした。要は開腹手術歴があると癒着が激しくて尺取り虫のように進んで行く小腸ダブルバルーン内視鏡が尺取れないのです。もちろん無理をすると腸管が破裂する場合もあるので医師は無理をしません。その場合でもそこからがストログラフィン等の造影剤を注入して小腸透視検査をします。よってそこそこ結果はわかるのでご安心を。

肛門側の前処理は?

肛門側の前処理は大腸ファイバースコープと同じです。ニフレックとかモビプレップとかビジクリアとか医療機関によって下剤は異なりますが約2リットル飲んでひたすら便を透明にする修行です。私はなかなか透明にならず浣腸まで2発しました。


肛門側からの検査の時の記事です。

小腸ダブルバルーン検査-肛門から編-大阪大学付属病院 クローン病



口側の前処理は?

口側の前処理は胃のファイバースコープと同じです。朝から絶食で昼から検査です。下剤もありません。
口側からの検査の時の記事です。

小腸ダブルバルーン検査-口から編-大阪大学付属病院 クローン病



狭窄部に届けば拡張も出来る

私は今回の小腸ダブルバルーン検査では2007年の吻合部位まで届かずに拡張術はできませんでしたが、うまく小腸ダブルバルーン内視鏡が届けばバルーンを入れて狭窄部分を拡張出来ることが出来ます。狭窄の長さにも依存します。狭窄部分が長いと出来ないそうです。もちろん一回拡張すれば終わりではありません。大体1年程度でやはり再度狭くなって来るようです。でもそれまではそこそこ快適なようですよ。あとは一年毎か二年毎に口側か肛門側か届く方から小腸ダブルバルーン内視鏡で拡張するのです。だいたい2泊3日の入院だそうです。

合併症もある

小腸ダブルバルーン検査の合併症として、腸管がプチッ!と穿孔してしまうとか、ベリッ!と裂けてしまうことがあります。この場合は内科的に処置ができなければ手術等の外科処置になります。また口側から小腸ダブルバルーン内視鏡を入れる時にどうしても十二指腸の膵臓の酵素を出す穴を刺激してしまい膵炎になる場合があるそうです。どちらにせよ入院が長引くことになります。