クローン病の初期症状


クローン病の初期症状は人それぞれですが、そもそもどこからが初期症状だ?と言うことです。症状が相当にひどくなって、あなたはクローン病です!と確定されて。そう言えば「小さい時からお腹が弱かったなぁ」とか「あの中学時代に胃が痛い!と思っていたのは実はクローン病の初期症状か?」とか、原因不明の熱もよくあったな?あれも当時は風邪とか思っていたけど実はクローン病の初期症状だったのか!?とか。それくらいクローン病の初期症状は日常の体のトラブルに似ていて早期の診断もなかなか難しいのがよくわかりますね。

よくわかない下痢

クローン病の初期症状で多いのが「よくわからない下痢」です。冷たいものを激しく食べたわけもない。食べ過ぎたわけでもない。牛乳を一気飲みをしたわけでもない。でも下痢。病院へ行くも「過敏性腸症候群」と診断をつけられて、ビオフェルミンとか処方されて様子見が多いでしょう。またこれで治まってしまうことも多いのです。

夜中、明け方の下痢

クローン病患者の体験で多いのが「夜中や明け方の下痢」です。これが多い人はクローン病の初期症状かも知れません。もちろん、夕食で変なものを食べたら夜中に吐き気や下痢をすることがありますが、クローン病の初期症状は吐き気はあまりなく、いきなり下痢です。

クローン病とエレンタール


エレンタールパック


エレンタールは成分栄養剤です。アミノ酸にまで分解されていて消化が必要なく、脂肪分をほとんど含まないのでクローン病の栄養管理にはバッチリなものです。2007年あたりまでのクローン病のコントロールの第一選択はエレンタールでした。
「クローン病はエレンタールだけで過ごしていればなんとかなる」と言うのが常識でした。

2007年あたりから

レミケードの出現でエレンタールで厳しく管理をしている方は減少してきています。レミケードの使用実績もある程度積み上がり、また投与したクローン病患者はかなりの割合でクローン病が寛解に向かいました。またレミケード単体とレミケード+エレンタール併用での緩解維持管理はどちらもあまり差がないと言う結果も出ました。反面、エレンタール併用でも1日900kcal以上でコントロールすればエレンタール併用のほうが断然、緩解維持管理が長期に出来るとも。。うーん一体何が正しいんだ。

クローン病のナチュラルヒストリー


昨日の記事で「悪化の一途」みたいな書いたので、お問い合わせから

「先日クローン病と診断されました。私もいつかはあなたのようになるのですか?」

ような心配のお問い合わせです。しかしこれは何とも言えません、クローン病や潰瘍性大腸炎や炎症性疾患は実に多彩です。リウマチやベーチェット病とかもそうです。発症から激しい人もいれば、じわじわくすぶるように進行する人、なんとなくそのまま不自由なく行けている人ほんとさまざまです。



[tegaki]こりゃそれぞれの性格と同じだな[/tegaki]

クローン病の死亡率


クローン病って死ぬの?

死のイメージ


クローン病って死ぬ病気なのですか?とたまに質問を頂きます。確かに「難病」とか「特定疾患」とか言われていますからね。難病=死とか余命が短いと考えてしまっても仕方がありません。
安心してください。クローン病は死ぬ病気ではありません。
ただし、死ぬほど辛いこともあります。まぁ死ぬほど辛いって定義はなんだ?って聞かれると困るのですが、言葉のあやですね。

クローン病そのものでは死なない

クローン病そのものでの死亡率は非常に低いです。腹痛や下痢で命を落とすことはありません。小腸が思いっきりイかれてしまって栄養を吸収出来なくなってもIVH(中心静脈)やHPN(在宅中心静脈療法)で必要な栄養を取り続けることができます。QOL(生活の質)は著しく悪化するかもしれませんが生きていけます。制限はあれど人生を楽しむ手段はそこそこ残された状態です。

クローン病を宣告されて「死にたい!」とか言っている人がいますが、残念ながらクローン病では死ねません。確かにこの先の人生を悲観して生きる望みがないかも知れません。でもできることはまだまだ残されています。今すぐに死ぬ必要はありません。それならば死ぬ気でクローン病と闘いましょう。私も24歳くらいで発症してクローン病と勝負し続けて2009年で約16年です。腹膜炎とかなりました。お陰様で持ち直してクローン病の死亡率をあげずにすみました。

※2017年しつこくクローン病と勝負しています。もう50歳になります。クローン病よりもそろそろ別な病気が気になりますね。はぁ歳をとるのはヤダヤダ。過去の方がクローン病の病勢は激しかったけどやはり若さがいいよ。クローン病でもいいから戻りたいね。


クローン病の活動期(再燃期)と寛解期


腹痛


急に冷えてきましたね。冬の気配を感じます。お腹も微妙に調子が悪いと言うか痛いと言うか。それも今日はソコソコ食べました。
朝は目玉焼きを乗せた食パン、お昼はラーメン。
基本的に平日の会社がある時は朝とお昼は食べずにエレンタールやラコールで過ごしています。やはりクローン病ですから。
突然お腹が痛い!挿絵を入れていますが、絵のようには痛くないです。今日はクローン病の活動期(再燃期)と寛解期のお話をしましょう。

クローン病の活動期(再燃期)と寛解期

クローン病には症状が出まくりの時の活動期(再燃期)と比較的クローン病の症状が落ち着いている寛解期があります。クローン病は完治する病気ではないので、この落ち着いている寛解期に導いていかに寛解期を維持するか?が課題になります。クローン病は簡単なきっかけに活動期(再燃期)に入る癖に寛解期はそう簡単に導けません。下手すると年中クローン病活動中です。ってなります。

夜中の下痢と明け方の腹痛-クローン病の初期症状もある。


夜中の下痢はクローン病や潰瘍性大腸炎の初期症状か!?

腹痛 トイレ


そういえば今日の(もう昨日か)明け方の5:00頃、腹痛で目が覚めた。腹痛といってもいつもの詰まった感の腹痛じゃなしに下痢っぽい痛み。これはクローン病初期でもよくあったことだ。まだクローン病と確定する前から夜中の下痢に襲われていた記憶がある。さすがに明け方の腹痛はクローン病がそこそこ進んでからだけど。

夜中の下痢、明け方の腹痛

クローン病患者にはよくある「明け方の腹痛」と「夜中の下痢」。
腹痛って色々なタイミングで襲ってきますね。渋滞中の車の中、満員電車の快速の中、これは健康な人でも精神状態や体調にようってはタマには起こること。

さらに
クローン病患者は夜中の下痢や明け方の腹痛と格闘することが多い。

夜中の下痢

夜中の下痢は辛いですね。特に真冬。
眠たいし、しばらくうつ伏せになって寝ていれば治まるかな?と思っていたら、さらに激しく痛みだす。飛び起きてトイレへダッシュ!これですぐに出て、腹痛一過!で眠れればいいのですが、なかなか出ません。でもお腹が痛い。寒いトイレの中で何とかやり過ごす。そして激しい下痢とともに便が出てなんとか安堵して眠る。布団の暖かさと消えてゆく腹痛でなんとも言えない安堵を感じる。

でも夜中は体は寝ている(腸も寝ている)ので下痢になるということは、変なものを食べたか?それとも炎症等があるか?の異状のサインであることが多いです。夜中の下痢には注意!

クローン病からくる倦怠感(体がだるい・重い)


倦怠感・体がだるい・重い

倦怠感・だるい


クローン病からくる倦怠感に悩んでおられる方が多いですね。私も倦怠感に悩まされる日々が多いです。朝から体がだるいとか重いとか。また朝は比較的マシでも夕方から体が重くなって来てだるさが出てくる。(私はこのパターンが多い)この体のだるいや重いと言うような倦怠感はどこから来るのでしょう?やはりクローン病が原因なのかな?

クローン病の倦怠感の要因

栄養状態によるもの

クローン病になると食事制限や腸の粘膜の悪化の影響で本来、必要な体の栄養素がうまく摂れていないことがあります。それが要因で倦怠感になることが多いそうです。また腸の悪化している部分によって不足する栄養素は変わりますので一概に「何が足りないから何を意識的に補給すれば良い」と言う標準的なものがありません。鉄分が不足やビタミンB系が不足とか、特に小腸を切除したクローン病患者になると切除した部分によって不足するビタミンやミネラルが変わってくると言います。小腸は場所によって吸収する担当が違います。例えば小腸の末端部はビタミンBとかです。これらは医師と相談して対応を見極める必要があります。

炎症によるもの

クローン病では腸に限らず消化管や又は腸管外合併症であちらこちらに炎症が起こることです。炎症があると体は必要以上に体力を消耗します。たとえ安静に横になっていたとしてもエネルギーを消耗してしまい、結果それが倦怠感となって現れることがあります。

クローン病の血液検査の所見-血液検査でわかるクローン病の状態


血液検査所見でクローン病がわかるか?

クローン病の血液検査の所見


血液検査の結果でクローン病が解るか?となると、クローン病とすでに診断されていてクローン病の病勢や活動状態の目安にはなりますがクローン病の診断は非常に難しいと思います。それはクローン病以外の病気でも上がる血液検査の数値だからです。逆に言えば「血液検査の結果は異常なし」でも実はクローン病だったと言うのはよくあること。クローン病は患者それぞれで大きく違うことがあります。

クローン病の血液検査の代表的な項目

CRP

この数値は高いとだめ基準値(0.3mg/dl以下)
C反応性タンパク(C-Reactive Protein)でこれは炎症に反応する数値です。このCRPが高いと「体の中のどこかに炎症があるんだな」となります。でもどこにあるかまではわかリマせん。クローン病は炎症を起こす病気なのでこのCRPが高ければ消化器官のどこかに炎症が起こっていると推察します。炎症性腸疾患では非常に重要な検査項目です。クローン病の治療中もこのCRPで治療が奏効しているか判断する重要な指標です。

白血球数

この数値は高いとだめ基準値(3500〜9000/μl)
白血球は生体内に入ってきた異物に対する免疫反応の働きをする。炎症や感染が起きるとこの数値が上がる。ややこしいのは盲腸(急性虫垂炎)でもこの数値が上がる。クローン病は右下腹部(小腸と大腸のつなぎ目)でよく起こる。そこには虫垂もあるので「白血球数高い!、右下腹部に圧痛!、これは盲腸だ!」と手術してお腹を開けたら虫垂に異常はなくクローン病でしたと言うことが昔はよくあったそうです。誤診と言われそうですがこれで早期にクローン病がわかったこともあります。

アルブミン

この数値は低いとだめ基準値(3.8〜5.3g/dl)
これは肝臓で作られる物質。栄養状態を見る血液検査の項目ですが、実は肝臓ではCRPかアブルミンかどちらかしか作れない。炎症があって肝臓が一生懸命CRPを作っているとアブルミンは作られなくなる。よってこのアブルミンが低いと長期的な炎症があったとも判断できる。このアブルミンを単に栄養状態が悪いとして見るかここ数週間炎症があったのか?と見るかでクローン病の名医度がわかるところ。

血小板数

この数値は高いとだめ基準値(15〜40万/μl)
炎症や潰瘍で消化管のどこかに傷や出血があればそれを止血するために血小板が頑張ります。クローン病ではクローン病の病勢の強さに相関があり、潰瘍性大腸炎では数値は高くないけど病勢との相関はないと言われています。

赤沈

この数値は低いとだめ基準値(男性12mm/h、女性15mm/h)
組織に炎症や壊死があるとこの数値が上がる。消化管のどこかで強い炎症があると赤沈の速度が速くなる。これは特にクローン病の診断時や初期症状において重要な指標にひとつ。

赤血球数

この数値は低いとだめ基準値(男性430〜570万/μl、女性350〜500万/μl)
貧血を見る項目、少ないとどこかに慢性的な出血がないか?とか栄養の状態がイマイチか?を判断する。ただ脱水状態だとこの数値は高くなることもある。クローン病でかつ赤血球が高いと脱水状態が疑われる。

ヘモグロビン

この数値は低いとだめ基準値(男性14〜18g/dl、女性12〜16g/dl)
血を見る項目、少ないとどこかに慢性的な出血がないか?とか栄養の状態がイマイチか?を判断する。

血清鉄

この数値は低いとだめ基準値(男性54〜200μg/dl、女性48〜154μg/dl)
貧血状態を見る項目ですが、クローン病で十二指腸がイカレれいると鉄分の吸収が悪くなり低くなる。またエレンタール等の栄養療法をしているとどうしてもミネラル分の摂取量が減るので適時、鉄分の補給等をするか?の判断もする。

血清総蛋白

この数値は低いとだめ基準値(6.5〜8.0g/dl)
全身の栄養状態を見る項目、クローン病になると食べれなかったり、またエレンタールの摂取量が少なくて栄養状態が悪くなる。また肝臓や腎臓が悪いと低くなる。クローン病患者は血清総蛋白は低いけど中性脂肪値が高い傾向にある。これはエレンタールを一気に飲んだり、炭水化物から栄養を取ることが多いのが要因と言われている。

クローン病の原因


クローン病は原因不明の病気です。現在のクローン病の学問では原因は特定されていません。

難病センターのサイトで調べてみると

クローン病の原因として、遺伝的な要因が関与するという説、結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染症説、食事の中の何らかの成分が腸管粘膜に異常な反応をひきおこしているという説、腸管の微小な血管の血流障害説などが報告されてきましたが、いずれもはっきりと証明されたものはありません。最近の研究では、なんらかの遺伝的な素因を背景として、食事や腸内細菌に対して腸に潜んでいるリンパ球などの免疫を担当する細胞が過剰に反応して病気の発症、増悪にいたると考えられています。

だからなんだんだ!?

ですね。でもクローン病患者としては原因もクソもいいからこの苦しさから解放してくれ!ですね。でもいまさらクローン病の原因がわかったとしても治らない気がする。この薬を飲んだら治ります!とか、この点滴をしていれば治ります!ってそんな簡単じゃないでしょうね。この世の中に原因がわかっていても治せない病気はいくらでもありますからね。

クローン病は完治するのか?


クローン病に完治があるのか?

クローン病の完治


ネットで色々と見ているとなんと「クローン病が完治しました!」と言う記事が続々と出てきます。寛解じゃないですよ。完治ですよ!完治!。どんなにすごい治療法なんだ!?とじっくり読んでいると。

  1. ラジウム鉱石の水
  2. 漢方薬や鍼灸
  3. なんか温める器具を使いうもの
  4. よくわからない免疫療法



が特に多いです。クローン病の症状を軽減とかではなく「完治」です。確かに漢方薬や鍼灸は東洋医学として確立されています。西洋医学とは全くアプローチが違います。よって漢方や鍼灸はクローン病の治療に有効であるでしょう。でも「完治」はなぁ。でも実際に完治した人もいるので、「完治する人もいます」ということか。でもクローン病の完治の定義ってなんだろう?

クローン病の検査


クローン病の検査

クローン病の検査


クローン病は確定するまでも確定してからも様々な検査があります。楽勝な検査からそこそこ悶絶な検査までさまざまです。しかしこれらの検査を乗り切ってのクローン病闘病生活です。


クローン病でも便秘になるよ。


激しく微熱ではないのですが36.7度。今日はエレンタール1500Kcal飲んだ。少し下痢。まぁいいや


便秘

クローン病と便秘のお話

クローン病であると基本は下痢ばっかりのイメージがありますが決してそうではありません。もちろん下痢な日々が多いのですが、便秘になることがあります。

下痢と便秘を繰り返す

クローン病の便秘は「便意を感じないずっと便秘」と言うよりも、「下痢でうんこがしたいお腹の痛さなのに便秘で出ない」と言うことが多いようです。お腹が痛くて苦しくてトイレと格闘すること数十分(時には一時間近くの闘いもある)。硬い便が出て栓が抜けたような感じの後は下痢便の連続になる。ここからは今までの便秘が嘘のように下痢で悶絶することがある。しかし炎症も激しくなければその下痢はあまり続かない。比較的このような状況になるのは緩解期に多いようです。